理事長挨拶

「日本の未来を守る —第1回認定医試験の報告をかねて— 」

拝啓

今年は酷暑の夏が終わったかと思えば、あっという間に冬になってしまった感じが致します。会員各位におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、皆様にご報告がございます。去る平成22年9月12日 第28回日本小児心身医学会大会(金沢市)を関秀俊会長(国立病院機構 医王病院)の下で開催しました。過去最高の一般演題数を含む様々なシンポジウム、教育講演、研修会を開催し、大成功で終えることができました。

特記すべきこととして、すでにお知らせしたように最終日に第1回認定医試験を実施致しました。今年度は移行措置のため受験者を評議員に限りましたが、22名の評議員が受験されました。試験内容は、筆記試験と提出された症例要約に関する口頭試問です。

当日の試験施行の流れは、認定医試験制度委員会(委員長 岡田あゆみ)が事前にシュミレーションを行うなど充分な準備をされました。また、受験者皆様のご協力もあり、お陰さまで、試験施行は滞りなく進めることができました。

試験は無事に終了し、直ちに試験委員会による判定会議を実施しました。そして厳正な審査の結果、22名の皆様が見事に合格されました。当ウエブサイトに指導医、認定医名簿を掲載しております。

認定医制度はまだ不備な点も多く改善が必要です。今後、皆様のご意見を踏まえて、改訂を行いたいと考えます。適宜情報を公開して参りますので、学会ホームページでご確認ください。

話はかわりますが、本学会認定医制度は『小児の心身医学に関して優れた専門的学識と臨床力を有する医師を育成し,小児医療の水準向上と進歩発展を図り,小児とその家族の健康の増進と福祉の充実に寄与することを目的』としています。なぜなら、本学会自身が子どもとその家族、そして社会の幸福を実現する一翼を担っているからです。子どもの心が健やかに育まれるような家庭と学校環境を実現し、その結果、子ども達が心の中に正しさと明るさ、自主性と協調性を育てながら、夢と希望を持てる国家社会にするために私たちは日夜努力しているといっても過言ではありません。
翻ってわが国の現状をみると、全く反対方向に向かっているように思われます。子ども達の手本となるべき一国の総理大臣が、尖閣諸島問題に始まる数々の失政に責任をとらず「石にかじりついても辞めない」と言い放ち、無為無策を続け、それを了とする政権与党、およびマスメディアが子どもたちの未来を暗澹たるものにしていると強く感じます。こんな大人たちを育てたのは日本の戦後教育であり、今や公立学校の教育崩壊は誰の目にも明らかです。その証拠に、現在も学校はいじめが横行、教員による児童・生徒への性犯罪は跡を絶たず、公立学校教員の性犯罪率は一般人の15倍と報道されています。他にも破廉恥行為は枚挙に遑がなく、人間失格教師が溢れています。国民の税金で賄っている教育現場の腐敗は末期状態です。このままでは日本の未来はありません。

私たちはこれに対して手をこまぬくだけではなく、医療、福祉、教育の側面から子ども達とその未来を守っていかねばならないと強く感じています。たとえば、こんな教育状況を少しでも改善する手立てが、私たちもあるはずです。私たちの多くは、子どもの健康保持のために学校現場と連携し、指導する立場にあります。人によっては『学校医』という立場から、『子どもの心の教育・心の健康予防』に指導できます。学校医は現場教師とより一層協力しあって、保護者にも心の教育、指導、啓発をすることができるでしょう。全国的に学校医はこれまで、子どもの心の問題への関わりは少な過ぎました。しかし、今や国策としてすべての小児科医に「子どもの心の一次診療」が期待されています。それと同じようにすべての学校内科医にも「子どもの心の一次対応」が期待される時代がまもなくやって来るでしょう。

今後は学校連携・学校医活動に力を注いでいく必要があるのではないか、本学会も学校医を束ねている地域医師会との連携・協力が重要だ、と強く感じています。私自身、府医師会学校医部会 副部会長に就任し、学校医自身が学校側のニーズにしっかり応られるよう、子どもの心の問題に関わる必要性を実感しています。
さて、11月20日(土)、第41回全国学校保健・学校医大会が群馬県で開催されます。道都府県医師会から代表発表ではありますが本学会役員も講演します。会員各位に注意を喚起させて頂きたく、ここにお知らせ致します。ウエブサイトにアクセスして頂けたら幸甚です。
http://www.gunma.med.or.jp/41taikai/program.html
なお、各地方医師会連合学校医研究協議会は別途開催され、医師会員であれば参加できます。

私たちの教育現場や福祉行政への地道な活動は、その成果をすぐに現すことはないかもしれません。しかしながら、「子どもとその家族の健康と幸福の増進」という役割において、学会認定医は各方面でリーダーシップをとっていく立場にあると考えます。一歩一歩前に進み、継続し、そして協力者や賛同者を増やし続けていけば、必ず明るい未来が開けるでしょう。その素晴らしい時代がやってくるのを夢見つつ、ともに頑張って参りましょう。
今後とも、会員諸氏のご支援をお願いいたします。

敬具
平成22年11月11日
日本小児心身医学会
理事長 田中英高

 

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