理事長挨拶

いま、私達に求められる先見性と先導性とは(第21巻巻頭言より)

 今年の夏は猛暑でしたが、国民の努力で計画停電も回避できました。東日本大震災後の爪痕はいまだ大きく残っています。被災地の子ども達には家庭ストレス、学校ストレスが慢性的底上げ状態になり、心身症や精神症状が増加しています。日本小児心身医学会は、東日本大震災中央子ども支援センターの支援活動にこの11月から参画することになりました。皆さまのご支援に心から感謝申し上げます。

 このような手負いの状態にありながら、追い討ちの如く、国家としてあるべき姿を厳しく問われた年はありません。戦後長らく、夢や希望のない自虐史観と自己卑下的な学校教育を受けた子ども達が、健全な心と大局的な智慧を備えた立派な若者に成熟できたかどうか?心の発達や心身医学を学ぶ私達には容易に分かります。欲求不満から学園紛争に荷担した若者が、自己確立できないまま3-40年を経て熟年層になり、政財官マスコミに溢れ、国家運営に影響力を持ったこと、これは国難以外の何物でもなかった、と、ようやく国民も気づきました。政権交代などと持て囃されたのも束の間、この国の悲劇が一気に始まりました。戦後67年も経ってまだ自己確立できていない国家を、自己確立できていない未熟な人間(すわなち、責任を取らない人間)が国政を牛耳ったとき、隣人が善人でもない限り、見逃すはずはありません。民衆デモを巧に操り軍拡を続ける一党独裁・無宗教国家は、人権蹂躙、他国支配をくり返しています。今の尖閣問題は、序章でしょう。

 明るい新時代を築くには、まず私たち一人一人、自らの心の成熟こそが最重要課題です。戦後教育で失った大切なもの、すなわち、人を愛する心、人を敬う心、神仏を仰ぐ心、自助努力の精神、それらを取り戻し、人間として自己確立することです。さらに子ども達がこれらの心を育み温かい人間になるような家庭や学校教育を取り戻すことです。この普遍性に気づくことが、今の時代の「先見性」ではないでしょうか。私たちの心が変わらなければ、税金や福祉という社会制度を変えたところで、何も変わりません。自分が心を変えなければ、誰も変えてはくれないのです。それが人としてあるべき道であり、それを一人一人に伝えること、全世界の人々に伝えること、それが「先導性」だと感じています。本学会の果たすべき役割は大きく、無限です。会員の皆さまのご尽力をお願い致します。

平成24年12月1日
日本小児心身医学会 理事長
田中英高

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