第8回 日本小児心身医学会 東海北陸地方会 (東海北陸小児心身医学研究会)

今回は初めて北陸(金沢)で開かれました。
日時 平成21年3月1日(日) 午後2時から5時
場所 石川県女性センター 大会議室

パネルディスカッション 「不登校への対応」

午後2時〜2時20分 「不登校のとらえ方と外来での対応」
金沢こども医療福祉センター 梶原 荘平
午後2時25分〜2時50分 「保護者カウンセリング」
金城大学社会福祉学部教授 平口 真理
午後2時55分〜3時20分 「学習入院療法」
久徳クリニック 院長 久徳 重和
午後3時30分 〜3時55分 「発達障害と不登校—みたてと方向性」
星ヶ丘マタニティ病院小児科 井口 敏之
午後4時〜4時25分 「発達障害のある不登校児童に対する教室復帰への支援」
石川県立総合養護学校地域支援室 上農 肇
午後4時25分〜5時 総合討論

【パネルディスカッションのまとめ】 

梶原先生は「不登校のとらえ方と外来での対応」では、発達障害を伴わない不登校の外来での一般的な対応について、まず家庭内での居場所の確立を図り情緒の安定を図ることが重要で、家庭内で元気を取り戻してきて様々なイベントへの参加を促すことにより社会性の回復を図り、その時期を経て登校刺激を行うことが必要になってくることを話しました。

平口先生は、「保護者カウンセリング」で、保護者の自分を責めたり、逆に責任回避したりと行った反応から、まず保護者の労をねぎらい話を傾聴するところから保護者との関係作りを行っていくこと、そして保護者に寄り添い、子どもの小さな変化への気づきを促したりして、関係作りができてきた時点で具体的な対応の仕方を提案することの重要性を、また保護者カウンセリングを行うにあたってスクールカウンセラーと教師、教育センターの専門員が各々コンサルテーションするだけでなく、コラボレートして対応することの必要性を話されました。

久徳先生は、「学習入院療法」で、不登校をボウルビーの愛着理論などを引用しながら、人間形成医学の視点から、最優先の治療目標を「年齢相応にたくましく成長すること」とし、当面の目標の登校再開を目指した取り組みの中で、家族関係の調整と新しい適応姿勢の獲得を目指すことを話されました。そしてその試みの中で、外来治療では家族関係の調整や本人の成長が望めない場合に、生活環境を整え、症状の早期改善を目指す「環境調整療法」としての学習入院療法を提唱され、その成果および長所と短所を示されました。

井口先生は、「発達障害と不登校—みたてと方向性」で、発達歴や集団適応状況ついての聞き取りや、面接場面でのコミュニケーションパターンや現在の問題行動の状況などの把握により、発達障害の有無を見分けることの重要性を話され、発達障害を伴う不登校であれば、基本的に適応できる枠を設定して指示的に対応することの重要性を話されました。また会参加できる枠として、日数や時間のコントロールや教室以外の場の設定、特別支援学級への枠がえを、症例呈示により示してくれました。

上農先生は、「発達障害のある不登校児童に対する教室復帰への支援」で、発達障害を伴う不登校の事例として、当初場面緘黙、学業不振が問題視されていた子が、課外活動に送れた際に、「速く歩け」と叱責されたり、宿泊体験で同じ「窓閉めろ。ぼけ」と命令されたことにより不登校になった症例が呈示されました。その不登校の改善過程の中で、教室に復帰することに行き詰まっていることに対して、新しい解決方法である相談室登校を提示して介入したこと、その後放課後登校や相談室登校の時間を伸ばしていく介入を経て、教室への段階的な復帰を促したことが示されました。そして発達障害を伴う不登校児に対しては、居場所の確保と援助活用できる資源を探すことや教育相談と特別支援教育の連携の重要性を示唆されました。

ディスカッションではゲームの扱いや告知の問題等熱心に討論されました。

(報告梶原荘平、加筆井口敏之)

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